2018 一泊研修旅行
2018年11月30日
縄文の縁の下の力持ち
小林純子
宿泊研修で、東京の西部の遺跡を訪ねました。実際の地形や周囲の雰囲気、実物が見られたことも貴重な体験でしたが、それにもまして、縄文の遺跡や出土したものを守り、展示工夫、解説説明してくださった方々にお目にかかれた事も素晴らしいことでした。
◎下野谷遺跡(国史跡)・・・タブレットでバーチャルリアリティ
亀田直美さんから説明を受ける。
芝生の公園になっている関東最大を「でいのため遺跡」と競っているとか。標高52m,59m(八ヶ岳との差がすごい!)、北側7?崖下に石神井川が流れている。(カワセミがアシにとまっていた!)
そこで、1人1人にタブレットが配られる。『その場所でかざすとその場の映像・・・木組みだけの小屋が屋根も見える。炉も見える。
縄文の星空も見える。クイズもある。・・・』
タブレットが、身近でない熟年の私たちもすぐに夢中になり、足元に注意!!状態。ここに見学にくる小学生もきっと喜ぶことでしょう。今の時代に合った工夫に関心。
◎西東京市郷土資料室・・廃校教室を使った展示や手作りジオラマ
石器や土器の展示。炉の復元や市民手作りのジオラマがあった。「下手くそな土器論」もおもしろい。『西東京圧痕倶楽部』ボランティアの活動場所でもあるそうだ。
◎下宅部遺跡・・・遺跡公園の植生の工夫
池や川から、木製や漆、鉄の遺物が出土した遺跡。今は公園だが、公園作りの時、木々を指定。マテバシイ、クリ、コムラサキ(本当はムラサキシキブを植えたかったそうだ)
アジサイは、野焼き用で、焼き跡があった。
◎東村山八国山たいけん館・・・たくさんの出土品の展示・説明
遺跡公園から徒歩3分。漆や豆、麻、籠の展示、復元された籠など材料処理過程の展示もあり、興味深い。漆のパレットや刷毛跡の展示も。以前に訪問した是川考古館や鳥浜考古館を思い出した。たいけん館のすぐ隣は「トトロの森」。館内では、ボランティアによる「ドングリのトトロ作り」のプログラムも。小学生が2人、熱心に作っていた。身近な博物館と実感。
◎ 武蔵村山市立歴史民俗資料館
小さい博物館、片眼の土偶
◎「かんぽの宿青梅」・・・駒木野遺跡の上に建つホテル
部屋から、大きく曲がった多摩川の流れを見ながら、縄文遺跡の上に泊まるのは、不思議な感覚。
◎石器作り・・・プロの技に目を見張る
宿のすぐ前の多摩川の河川敷でのワークショップ。
久保田先生(元青梅郷土資料館館長)は、全国の河川の石で2,000個以上の石器を作ったという石器のカリスマ。
実演を交えながら、石器作りの技法や手順、検証方法などを明解なお話に納得。1番難しいのは、「たくさんの石の中から適した石を見つけること」
石の「打点」をめがけると簡単に割るところを見せていただたり、ハンマー面と台石面が異なることを見せていただいたり、目からウロコ。
やってみて分かる『実験考古学』の重要性が分かった。石器を見る時の視点が変わった。
◎青梅郷土博物館・・・良い天気と紅葉に恵まれた研修
貴重な出土品が。解説説明を伺うとさらに、貴重さが分かる。
久保田さんは、発掘された石棒を担いで、電車で東博に持っていったとか、おもしろい!
◎二宮考古館・・・小さいけど充実の空間
二宮神社の脇にある小さい考古館。
◎八王子郷土資料館・・・充実の2日間の最後
「赤ん坊を抱く土偶」母親の顔はないけど、赤ちゃんの顔や母親の横座りの脚が可愛い。本物は東博。
「ミニチュア土器」は精巧な作りが見事。
ここでもボランティアが活躍。
※今回の研修を下見・交渉を何回もして、コーデュネートしてくださり、当日はアテンドまでしてくださった中山真治さん(府中市教育委員会)に感謝申し上げます。原村の別荘においでの時は、
八ヶ岳jomon楽会でもお目にかかれるとうれしいですね。
会田会長も亀田さん、中山さんと下見をしてくださったので、時間ぴったり充実の研修2日間ができたと思います。感謝です。
それにしても、縄文大好きな人のために、地道で情熱的な研究や博物館、考古館で展示工夫、解説説明をしてくださっている方・ボランティアの方のなんと多いことでしょう!改めて、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願い申し上げます。