2019夏期大学講座に参加して
2019年09月13日
夏期大学講座、受講させていただきました。会田さんはじめ、八ヶ岳JOMON楽会の皆様、講師のお二方、おかげさまで充実した半日を過ごさせていただきました。感謝です。
難しい内容でしたので、理解はどうかというところで、私なりに理解をまとめさせていただきました。間違い等ご指摘頂けると幸いです。
米田先生の講義内容に関してです。
(1)C12、C13(安定同位体)を用いれば当時の食性が分析でき、C14を用いれば年代測定ができる。
(2)ストロンチウム同位体を用いれば、他所者が特定できる。但し日本の地層は複雑で、出生地の特定まではできない。
(3)歯のエナメル質を調べると、幼少期の食性が分析できる。骨を調べると、大人になってからの食性が分析出来る。
・年代測定を併用すると、抜歯形式と他所者の相関性調査のように、科学的な検証が可能。
・幼少期と成年期で、食性がほとんど変化していない。→生業分化?
(4)水をたくさん飲んでいる生物であれば、酸素同位体による調査が出来る。
(5)C14による年代測定の較正と補正。
C14による年代測定は、水爆実験などの影響で誤差が大きいという私の固定観念がありましたが、実は較正表が出来ていて、海洋深層水の循環まで考慮した補正もできるんですね。
(6)焼けた人骨は、結晶化しているので、X線回折した時に波形が立つ。
焼けた人骨は貴重なんですね。質問させていただける機会をいただけたとしたら、X線回折の他に、解析手段はありますか?と伺ってみたかったです。
感想(私見)
私は、日本全国でどれほどの人骨が出土しているか知りません。昔、発掘のお手伝いをしていた時に見た人骨は1度だけでした。確か平安時代か鎌倉時代の骨でした。これはなぜか火葬されていて、六文銭が一緒に出てきたのでおそらく人骨だろう、という程度。人骨といえば貝塚でもなければ簡単には出てこない、というイメージしかありません。
暴論だと思いますが、全国の出土人骨を分析できないでしょうか。費用もかかるし、時間もかかる。でも少なくとも全ての人骨を調べてデータベース化すること、最近ではこれをビックデータっていうのでしょうか。なにもAIに解析させなくても全国には優秀な考古学者がたくさんいらっしゃるので、科学的な分析、検証が一度に進むのではないでしょうか。
ああ、でもこれって発掘と同じか。今の技術で最高の発掘をしても、将来見た時に完璧とは言えない。それは破壊かもしれない。
難しいですね。考えれば考えるほど。
米田先生の考古学者と協力して、研究を進めていく姿勢に頭が下がります。
福岡忠博