「阿久遺跡」日の出の小さな発見
2013年03月25日
『阿久遺跡では春分、秋分に権現岳の北の峰の"旭岳”から日が昇る』
田中 忠久
私は、阿久遺跡から見た360度パノラマ風景を作成し、全ての峰と峠を記載する研究をしています。目的は、”阿久の原風景”の確認をするためです。それは、縄文人の目線になって阿久遺跡を取り囲む山々、峰々をチェックします。春の雪形、夏の入道雲、秋の織る錦、そして冬の白銀の世界などが入れば楽しいですね。
この3年間、阿久遺跡での日の出の観測をし、これまでに思わぬ小さな発見をしました。阿久遺跡では、春分、秋分に八ヶ岳連峰の権現岳の北の峰の「旭岳」から日が昇るのです。春分、秋分の朝日は、真東から昇ります。但し、山からの日の出は標高差があるので、南側にずれます。以前から会員の皆さんには、「阿久遺跡での春分、秋分に権現岳の“北の峰”から日が昇る」と、話していましたが、その“北の峰”が何という名前なのか確認していませんでした。
2012年8月25日。阿久友の会の講座の始まる前に、八ヶ岳自然文化園入り口 ロビーの山岳地図を何となく見ていて、エエーッと驚きました。“北の峰”は旭岳だったのです。
この『八ヶ岳の旭岳』の名前の由来は分かりませんでしたが、「あさひだけ」の名前の一般的な由来の解説は分かりました。茅野市図書館で調べて頂いた中で、それは「山間の集落で太陽が最初に昇る山と朝日で赤く染まる山々を「あさひやま」「あさひだけ」と呼ぶ習慣があり、これはそのまま山岳信仰につながっている」(三省堂日本山名事典)などでした。
これから推論すると、西側から見ての東側の ”ある範囲の山が全て旭岳、朝日岳” になりますが、この中から絞り込みができると考えます。
更に縄文時代からの名前なのかは、これからの研究課題です。この八ヶ岳の権現岳の北の峰の「旭岳」には、何か特別な意味合いがあるのではないかと考えます。
また、天文学的に研究をしてみると、いろいろと面白いことが分かってきました。次回はその研究を発表したいと思います。